★この公演は終了しました。

■林 望・作詩&野平一郎・作曲による話題作、待望の再演!
演劇的組歌曲『悲歌集』
2007年5月30日(水)7時開演
林 美智子(メゾソプラノ)  望月哲也(テノール)
福田進一(ギター)  佐久間由美子(フルート) 野平一郎(チェンバロ)
★全席指定:一般4,500円 ペアチケット8,000円/学生3,000円(学生券のみ当日座席指定)


「悲歌集」を、何度も聴きたい!―――――――――――――――梅津時比古(毎日新聞専門編集委員)

 歌曲の傑作の誕生に立ち会うことができた。
 林望の詩に野平一郎が作曲した演劇的組歌曲「悲歌集」。津田ホールの委嘱で作曲されたこの曲集は、ギターと声とフルートという不思議な編成によっている。
 ギター(福田進一)がまるでやわらかな刃物のように世界の皮をむき、ひっくりかえして中身を出す。テノール(望月哲也)とメゾ・ソプラノ(林美智子)が存在の臓腑を並べかえようとし、フルート(佐久間由美子)がそれらを一挙に飛翔させる。男の声も女の声も幻想味を帯び、<悲しいぞ/あの日のことも/この日のことも/想い出されて悲しいぞ>と詩の響きが交錯する。男女の相関を通して曲は存在と世界との関係性の探求へ入ってゆく。
 存在への問いをもたらす曲に出会うことは極めて少ない。「悲歌集」は、空気の層をいくつも切り開くように存在への問いを畳み掛けてきた。
 70年代に石桁真礼生、三善晃らが次々に歌曲で哲学的な世界を切り開いたあと、日本歌曲のジャンルは作曲家の最先端の意識に触れることなく、閉ざされた地平になっていた。そこに久々にこの傑作歌曲集が登場した。今、必要なのは再演を重ねることであろう。再演によって作品・演奏が熟成するとともに、日本歌曲の地平がいかに本質的に現代的たり得るかがあまねく示されるだろう。私は、「悲歌集」を、何度も聴きたい!


                                                                 演劇的組歌曲『悲歌集』初演(2006年2月14日/津田ホール)

★ギターの福田進一さんのインタビューもあわせてお読みください。→「福田進一『悲歌集』を語る」

★第1部の曲目詳細が決まりました。
クープラン:恋のうぐいす Le rossignol en amour
演奏=佐久間由美子(フルート)野平一郎(チェンバロ)

イタリア古典歌曲に見る「愛の歌・恋の歌」@
ヘンデル:樹木の蔭で(ラルゴ) Ombra mai fu(Largo)
スカルラッティ:貴女が私の死の栄光を Se tu della mia morte
パイジェルロ:もはや私の心には感じない(うつろの心) Nel core piu non mi sento
マルティーニ:愛の喜びは Piacer d'amor
演奏=望月哲也(テノール)野平一郎(チェンバロ)
カッチーニ:アマリッリ(マドリガーレ) Amarilli(madrigale)
演奏=望月哲也(テノール)福田進一(ギター)

ボッケリーニ:序奏とファンダンゴ
演奏=福田進一(ギター)野平一郎(チェンバロ)

イタリア古典歌曲に見る「愛の歌・恋の歌」A
チェスティ:私の偶像である人の回りに Intorno all'idol mio
演奏=林 美智子(メゾソプラノ)福田進一(ギター)
ペルゴレージ:もし貴方が私を愛してくれて Se tu m'ami
モンテヴェルディ:私を死なせて Lasciatemi morire !
スカルラッティ:私を傷つけるのをやめるか O cessate di piagarmi
ヘンデル:私を泣かせてください Lascia ch'io pianga
演奏=林 美智子(メゾソプラノ)野平一郎(チェンバロ)
*上記の曲目は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

演劇的組歌曲『悲歌集』
第1曲 男「悲しいぞ」〔テノール、アルトフルート&ギター〕 〜間奏曲〔フルート&ギター〕
第2曲 女「得失」〔メゾソプラノ&ギター〕 〜間奏曲〔ギターソロ〕
第3曲 二重唱「豪雨と雷鳴」〔メゾソプラノ、テノール、フルート&ギター〕 〜間奏曲〔フルートソロ〕
第4曲 男「八年の痛み」〔テノール&ギター〕
第5曲 二重唱「海風」〔メゾソプラノ、テノール&フルート〕 〜間奏曲〔ギターソロ〕
第6曲 女「想うことはいつも」〔メゾソプラノ&ギター〕
第7曲 二重唱『永劫の・・・』〔メゾソプラノ、テノール、フルート、アルトフルート&ギター〕
■原作・作詩=林 望
■作曲=野平一郎
■演奏=林 美智子(メゾソプラノ)望月哲也(テノール)福田進一(ギター)佐久間由美子(フルート)


林 望(原作・作詩)
慶応義塾大学大学院博士課程修了。専攻は日本書誌学・国文学。イギリスはケンブリッジ大学客員教授として招聘を受けP.コーニツキ氏とともに『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』の編纂にあたる。デビュー作『イギリスはおいしい』(平凡社)で第39回日本エッセイストクラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(共著、ケンブリッジ大学出版)で国際交流基金国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で第9回講談社エッセイ賞の各賞を受賞。東京芸術大学助教授も務めた。エッセイにとどまらず能評論や小説、料理、自動車評論、新しい日本歌曲の創作(作詩)や声楽アンサンブルでのコンサートを行うなど、幅広い活動を行なっている。

野平一郎(作曲・チェンバロ)
東京芸術大学大学院修士課程を修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。ピアニストとしては、内外の主要オーケストラにソリストとして出演する一方、名手と数多く共演し、室内楽奏者としても活躍。古典から現代までの幅広いレパートリーを得意としている。作曲家としては2006年には、歌曲集「悲歌集」(津田ホール委嘱)、チェロのための「謎」(ハンブルグ・ムジークハレ委嘱)、「トリプティーク」(日本フィル委嘱)、「響きの連鎖」(サントリー音楽財団委嘱)、 12月にはアンサンブル・ウィーン・コラージュのための新作が発表された。第13回中島健蔵音楽賞(1995)、第44回尾高賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞(1996)、第35回サントリー音楽賞(2004)、第55回芸術選奨文部大臣賞(2005)を受賞。現在、静岡音楽館AOI芸術監督。
林 美智子(メゾソプラノ)
東京音楽大学卒業。桐朋学園大学研究科修了。文化庁派遣芸術家在外研修員としてミュンヘンへ留学。新国立劇場『ヘンゼルとグレーテル』ヘンゼル、二期会『フィガロの結婚』ケルビーノ、同『ばらの騎士』オクタヴィアン等でオペラ界に新風を巻き起こす。2006年には世界的巨匠コンヴィチュニー演出による二期会『皇帝ティトの慈悲』でセスト歌い、演出家自身から最大級の賛辞が寄せられた。2003年第5回ホテルオークラ音楽賞受賞。また同年国際ミトロプーロス声楽コンクール最高位入賞。これを受けて2005年アテネの野外劇場にてオペラ『エウメニデス』(世界初演)に出演。2006年初のソロCD『赤と黒』(ビクター)をリリース。二期会会員。

 

望月哲也(テノール)
東京芸術大学卒業。同大学院修了。第70回日本音楽コンクール第2位。リリックな美声と堅実なテクニックは群を抜き、次世代を担う歌い手として注目を浴びている。これまでに『愛の妙薬』『夕鶴』や小澤征爾指揮『ドン・ジョヴァンニ』(演奏会形式)ドン・オッターヴィオと数多く出演。2006年にはコンヴィチュニー演出で話題を呼んだ二期会『皇帝ティトの慈悲』に主演、公演を牽引し成功に導いた。コンサートにおいてもNHK交響楽団等でサヴァリッシュやアシュケナージと共演。また宗教曲の分野でも欠くことのできない存在である。CDは「イル・ミオ・テゾーロ」と「アマリッリ」(いずれもマイスターミュージック)の2枚をリリース。二期会会員。

 

福田進一(ギター)
パリ・エコール・ノルマル音楽院を首席で卒業。1981年パリ国際ギターコンクールで優勝、さらに内外で輝かしい賞歴を重ねる。デュトワ指揮NHK交響楽団などのメジャーオーケストラとの協奏曲、ジャンルを超えた一流ソリストとの共演は常に話題を集め、絶賛を博している。また、ここ数年間で世界20ヵ国以上の主要都市に招かれリサイタルを開催。19世紀ギター音楽の再発見から現代音楽までのボーダーレスな活動は世界的な評価を獲得している。発表したCDはすでに50枚に迫り、近年ではスペイン音楽第2集「セビリア風幻想曲(マイスターミュージック)」が、平成15年度第58回文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞。ますます精力的に活動の場を広げるスーパー・ギタリストである。

 

佐久間由美子(フルート)
1984年満場一致のプルミエ・プリを得てパリ国立音楽院を卒業。1983年パリ市主催ランパルコンク−ル第1位およびジョセフ・ランパル賞を受賞、1984年ボルド−国際フェスティバル金メダル受賞。1985年第1回神戸国際コンク−ル第2位入賞。ソリストとして活躍するほか、日本各地の主要オ−ケストラと数多く共演。ジャパン・チェンバー・オーケストラ、オイロス・アンサンブルなどのメンバーとしても活躍し、フル−ト音楽の可能性を探る意欲的な活動を行っている。1989年度村松賞、1992年モ−ビル音楽賞奨励賞受賞。2枚のソロCDをはじめ「オイロス・アンサンブル・クインテット〜WIND」などをリリ−ス。

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