★ある日のスピリタス

それぞれがまったく異なる、個性的な演奏活動を行っているクァルテット・スピリタスですが、2005年6月に沖縄で行われたコンサートシリーズで、クァルテットとして本格的に始動。ホールでのコンサートを行うばかりでなく、小学校や中学校に出向き、1クラス30人くらいの子どもたちと一緒に、まるで音楽で遊んでいるような楽しい時間を過ごしました。
昨年も同じように北海道から沖縄までのたくさんの町で同様の活動を行い、アイディアあふれる演奏と親しみやすいトークで、小学生からお年寄りまで全国各地の人々に音楽の楽しさを届けています。
「この活動では、クラシック音楽を聴いたことがない人、それにクラシックは聴いているけど、サクソフォンやサクソフォン・クァルテットはこれまであまり関心がなかった人たちに、まずその楽器の音の魅力やクァルテットの楽しさを知ってもらいたい、という気持ちが強かった。だから、コンサートも前半はクラシカルな作品を聴いてもらって、後半は雰囲気を変えてちょっとジャズっぽいものなども入れて、リラックスして聴いてほしかったんだよね」。
サクソフォンはアドルフ・サックスというベルギーの楽器製作者が発明し、1846年に楽器として公に姿をあらわしました。つまり、まだ歴史があたらしい楽器です。モーツァルトやベートーヴェンの時代にはまだなかった楽器ですから、当然その作品は新しいものばかり。とくにサクソフォン四重奏のためのレパートリーはそれほど多くはありません。

「サクソフォン四重奏のこの作品をいいと思ったから、いろいろなクァルテットで同じ作品を聴いてみよう、でもいいし、スピリタスのコンサートに行って楽しかったから、もっとクラシックの作品もたくさん聴いてみたくなった、でもいい。とにかくもっとその魅力を知ってもらいたいな」。
今回の津田ホールのリサイタルでは、管楽器愛好家の世界ではよく知られている定番レパートリーを選曲。サクソフォン四重奏のためのオリジナル作品を、彼ら自身ももう一度一から読み直して音楽作りをし、サクソフォン四重奏のファンを広げたいと言います。
「まずサクソフォンやその四重奏の楽しさを知ってもらえたら、せっかくだから、作品そのもの音楽的な魅力や奥深さにも触れてほしい。そのきっかけがスピリタスだったらいいね」。
今年は津田ホールを皮切りに、ミューザ川崎や京都コンサートホールなどでもコンサートが予定されています。いまはまだスピリタスをご存じない方も多いかもしれませんが、ブレイクの予感は大。
7月20日のコンサートをぜひお聴き逃しなく。